UTMF / STY 大会中止の経緯が動画しか公開されていないので文字起こししてみました。
本当はUTMFに参加してきた模様を書こうかと思っていたのですが、
本日UTMFのサイトで「<9/28 現在のご報告>」と題した記事が公開され、
個人的に大会当日から一番知りたかった大会中止についての内容が
尚、大会最終日の記者会見において、大会中止経緯に関しては発表しておりますので
以下のフェイスブックページ<9/28 現在のご報告>より映像をご確認下さい。
(中略)
https://www.facebook.com/ultratrailmtfujiofficial/
と端折られてしまって、しかもFacebookから映像を確認すると1時間に及ぶプレスカンファレンスの動画が丸ごと公開されていて大会中止の経緯についてはなかなか出てこない状態でした。(23分10秒ころからUTMF、33分40秒ころからSTY、40分50秒ころから小さなUTMFについての説明があります。)
説明全部の内容というのは難しいと思いますが、せめて要点くらいはFacebook動画ではなく公式サイトに文字で公開してほしいと感じました。
説明の内容自体は理解できるものであるし、大会当日からスタッフのみなさんが奔走していたのはわかっていますが、こういう情報公開に対する姿勢は残念だと思います。
しかしながら明らかに大会側にリソースが足りていないのは理解できるし、
そういうならお前がやれよという話になるかと思いますので、
この動画のうち、大会中止経緯に関する内容について文字起こししてみました。
以下動画の23分10秒以降の内容です。
(各センテンスの間に英語の通訳がありますが、そこは省略させていただいています)
UTMFについて
千葉達雄大会事務局長
「引き続きまして、今大会のですね、一連の大会の中断であったりですとか中止というのが非常に多くあった大会なんですが、こちらのどのような経緯でこのような形になったかというところを、まず私の方から経緯の方をご説明させていただきまして、鏑木に報告させていただきます。」
「まず最初にUTMFのレースの途中の中断とコース短縮についてご説明をさせていただきます。」
「まずはじめに、大会当日はですね、大会のコースである富士宮市及び富士市に大雨警報が発令されていました。
それを受けまして鏑木実行委員長以下開催会議を行いまして、大雨の影響によります詳細な気象情報とコース状況の確認作業を行いまして、この時点からスタート時刻の延期や大会の中止を含む今後についての検討をいたしました。」
「この検討は午前中に行ったわけですが、それを行った結果ですね5つの懸案される場所が現地の確認等も含めて行われまして、レース開始1時間前の12時の時点で富士宮市内の大雨警報は解除されていないということになっておりまして、それに合わせてですね、実は、大会のコースに一部大雨警報ですと通行が難しい舗装された林道というところがございまして、歩道管理者の方から、大雨警報が続いているという中で、安全確認ができていない中では選手に通行をしてほしくないというお話がありました。」
「しかしながらですね、この時点では警報の解除は出るだろうという見込みを我々はしていましたし、天候自体も回復傾向に向かうだろうということを情報の中で予想いたしまして、開催時間を2時間遅らせるという判断をいたしました。」
「その後2時間開催を遅らせたんですけども、そこから更に変更されたスタート時間が午後3時だったんですが、そのレース開始1時間前になっても実は警報の方は解除されずですね、先程申し上げました林道部分の歩道管理者、当然行政という形になりますので、仮に直後に警報が解除されたとしても、この林道の歩道管理者の安全確認というものがスタート時間午後3時には間に合わないだろうという判断と、当然行政ですので、その後2時間3時間というところ待ったとしても、行政として安全確認というのはだんだん現実的に当日では難しくなるというところがあるというところがありました。」
「そのような状況の中ですので、我々の方としてもそこの林道部分の安全確認がとれないということと、この林道実はそのまま前半の最難関のポイントである天子山地に接続している林道ということにもなっておりまして、一番我々が懸念する天子山地の安全確認も今の状況であるとしっかりとしたものを選手の皆さんに提供できないという判断をいたしました。そのため、我々はこの時点で天子山地の入山を断念するという判断をいたしました。」
「天子山地を入山しないという形になりますと、その直前のエイドはA3の麓という場所だったんですけども、その直前にですね、普段は水が流れていない涸沢であったりですとか、あともう1箇所平地のところではあるのですが、すぐ横にですね急斜面の山地を抱えている地域を通らなきゃいけないという部分がございまして、現地確認を専門のレスキューチームにしていただいた結果ですね、平地の山地を抱えているところに関しましてはがけ崩れを行う可能性があるということと、涸沢に関しましては普段全く水がないところだったんですけども、一番水深のあるところでは腰まで水位のある状態でしたのでこちらに関しましても選手を通過させることは危険だというような判断をいたしまして、本当に急な決定ではあったんですが、地域の方々のご理解、大変なご協力をいただきまして、道の駅あさぎりにフィニッシュエリアを移動するという決定に至りました。」
鏑木毅大会実行委員長
「本当にUTMFという大会は167kmという非常に長い大会で、これに準備をされてきた糧というものを私共本当に重く受け止めているし、その思いというのを本当に強いものがあるというのは本当にわかっています。167kmが45kmになってしまったということは本当に申し訳ないですし、我々としては本当少しでもねウルトラトレイルディスタンスにできるような方法はないのかということでいろんな策を考えましたけども最終的には選手のみなさんの安全を最優先させた判断をさせていただいたというということでご理解いただければと思います。」
STYについて
千葉
「続きましてSTYの中止の経緯についてお話させていただきます。」
「STYのスタートの1時間前の状態ではですね、通過自治体の全てで大雨注意報、雷注意報が発令されていました。」
「それに加えまして、スタートの開始直前にはですねスタート会場の富士山こどもの国では雷を伴ういわゆる雷雨という状況になっていました。非常にここは難しい判断ではあったんですけども、レスキューチームともお話させてもらいまして、このまま静岡地区にとどまるとですね今後静岡地区の天候はより悪化するだろうというものがありまして、まずスタートさせてですね一刻も早く静岡地区を抜けて山梨県側に行くということが得策だろうと言う形になりまして、雷まじりの雨ではあったんですけども、予定通りのスタートをしようということを決断をいたしました。」
「そのような状況でスタートしたんですけども、まだ山梨県側に選手のほとんどの方が行く前にですね、地図の方を持たれている方はI-04という地点があるんですけども、そちらも普段は涸沢になっておりまして、全く水が流れていないところになるのですが、そこも非常に増水をしておりまして、実際選手が1名流されてしまいまして、それは他の選手で助けていただいたんですけども、現実問題コースの横断が難しいというところが出てきました。さらにコース確認をしている上でその先の籠坂峠というところが山梨県をおりてすぐのところに県境のところにあるんですけども、そこの部分では
至近距離での落雷というものを確認しました。」
「我々の手順といたしましては、まず選手の安全を第一に考えまして、まずすべてのエイドをクローズしまして選手をそこに収容するというような処置をまずはかりました。」
「そのあとですね、あらためてレース後半の難所である石割山、杓子山のリスクを評価しまして、そちらの山は両方共山稜線上に木がないところを通らなきゃいけないということでして、選手の落雷リスクというのがより高くなるというような判断をいたしまして、これ以上のレース実施は選手の安全を確保できないと我々は判断いたしまして、STYの中止を決断いたしました。」
鏑木
「STYに関しても非常に我々もいろんな可能性を考えながらスタートを切ったわけなんですけども、本当に例えば1時間時間を遅らせて行うというようなことも視野に入れたわけではありますけども、やはり非常にそれをやることによる危険度はより高まってしまうと。あと非常に難しかったのは、中止をどのタイミングで行うか、ここに非常に迷いました。しかし、時間を、判断をせずに時間が刻一刻と過ぎるなかでより甚大な大きな問題になっていくというのは、非常に各選手からの情報が上がってくるなかで、我々すごくそれを重く受け止め、中止の判断のタイミングとしてはあのタイミングでせざるを得なかったという風に考えております。」
小さなUTMFについて
千葉
「最後に小さなUTMF、これ本年からの追加の種目ではあるんですが、こちらの方の中止の経緯に関しましてもご説明をさせていただきます。」
「この小さなUTMFはSTYのスタート会場の富士山こどもの国の中で完結される2km〜10kmになっておりまして、UTMFとSTYとかなり性質の違う競技ということで、我々は今回前日のUTMFのこともあったんですが、小さなUTMFに関しましては開催をしようというような判断の中準備を行いまして、実際STYのスタート1時間前までは実際非常に大雨が降ってはいたんですけども、現場も含めて開催のための準備を進めていました。」
「その中ですねSTYのスタートセレモニーが始まったわけですが、そのスタートセレモニーの途中の段階で施設管理者の方から、彼らが独自で設定している雷の危険性のガイドラインになるかと思うんですが、おそらくそのガイドラインに照らし合わせまして、会場の方では、会場独自のアナウンスで雷による避難というアナウンスがあるなか、会場側の方からですね小さなUTMFの開催をしないということを強く勧告されました。」
「非常に短い時間の中、これも本当に難しい判断だったんですが、会場の方々のお話も受けまして、現場のコースにいるスタッフの話をですね総合的に、鏑木の方にも判断した結果、雷ということで、大会の開催の延長ということ自体も非常に難しいというような状況になりまして、本当に急な話ではあったんですけども中止という判断になりました。」
「ここで非常に参加された方に申し訳なかったのはですね、これがSTYのスタートセレモニーの最中の出来事でありまして、会場アナウンスだったりということが、ちょっと難しい状況の中ですね、このアナウンスができないままSTYのスタートへ向かいました。STYのスタートを終えたあとにですね、結果として参加者の皆さんに小さなUTMFの中止ということを発表するというタイミングとなりました。」
鏑木
「小さなUTMFに関しては今年からの初の試みでした。本当にたくさんの方が、予想を越える方が楽しみにおいでいただいたのを私も現場にいましてすごく肌感覚で感じて、そんななか降雨と雷。でも何かできないかと。3つカテゴリーがあるんですけども、1つでも2つでも何らかの形で実施できないかというあらゆる方策を考えてみたんですけど、やはり大きかったのはやはり落雷、どうしてもこどもの国というのは地形上、構造上ですね非常に林を切り払った広場のような部分が多くてですね非常に雷のときに避難する場所がなく危険な状況になっている。STYに関しては同じ状況の中レースを続行、それに関してはSTYスタート後選手のみなさんがそのエリアから森のなかに入っていくということで、ある程度の雷へのリスク回避の担保ができるんじゃないか、ただ、小さなUTMFに関しては雷のリスクが非常にとどまることによっても高くなるという、そのへんの判断をさせていただきまして、やはり何があっても事故があってはいけない、そこを重く受け止め、中止という考えに至りました。」
千葉
「以上が大会に関しての経緯のご説明なんですけども、こちらに対して質疑やご質問等ございましたら挙手をしていただきましてご質問していただければと思います。」
質疑応答
記者(DogsorCaravan.comの岩佐氏だと思われる)
「おつかれさまです。それぞれにコース短縮、中止という判断がされたわけですけども、例えば、お話では判断に時間を要したと、迷いというか情報を集めることに時間がかかったということなんですけども、ただ、警報が既に出ていたことからすると、もしかすると開催をしないといけないというバイアスがどこかにあってですね、もうできないとわかっていても開催はするべきだというバイアスがどこかに何かの事情であったのではないか、逆に言えば小さなUTMFは主催者、会場のファシリティの管理者がやめてくれといわれればやめたということだったとすると、そういったバイアスがどこかになかったのではないですかという質問をさせていただきます。」
千葉
「開催会議というのはですね、実は大会前に3日前、1日前、そして大会1時間前にもですね、開催会議を開きまして最後の1時間前もですね、中止を含めた検討をさせていただいています。これに関しましては私事務局長の千葉を含め、鏑木毅、全実行委員ですね、我々の実行委員が協議を進めています。岩佐さんの質問のバイアスがかかったかどうかというところに関しましては、非常に、特にですねUTMFの開催に関しましてはやはり鏑木を含めた実行委員の意見というのは非常に分かれました。やはりそれぞれのバックボーンがありますので、それぞれのバックボーンの中の思いですとかというのがありまして、非常に、開催をしたいと、なんとか一周をつなげたいというですね、特に鏑木の思いというのは非常に大きかったかなと私は考えてはいたんですけども、やはり、最終的なところに至った理由というのは、とはいえですね、選手の安全面というところと、あまり話に出ていませんが、今大会非常に環境面に関しても非常に日本中から注目されているというところを我々日々1年間かけてやってきているわけなんですけども、私個人としましては、非常に鏑木の方には今回辛い思いをですねしていたなというのは会議をしながら表情を見ながら十二分にわかっていたんですねども、私の立場からすればやはり一番大切なのは選手の安全面、そしてこの大会の継続と、そして地域の理解を得るためのことでしたので、当然選手の参加者の中にはすっきりもわっとできる方はいらっしゃったとは思うんですが、やはりこのトレイルランニング、この競技に関しましてまだまだ認知が低いなかで、それで客観的にあのコンディションで安全という方がトレイルランナー以外で何人いただろうかと。これを強行したときにですね、もし何かあったときに十分な安全確認ができたかというところに関しましては、非常に、地域の交渉を進めている担当者としましては、非常に重く見まして、皆さんのトレイルランニングのランナーの観点以外でも、いわゆる一般の方々の観点というところをしっかり視野に入れて最終的な判断をしたつもりですし、鏑木に関しましては、非常に顔を見るのは辛かったんですけども、我慢をしてもらったな、と思っています。」
鏑木
「もうだいぶ時間も経ってしまって10時に表彰式もありますので。今回のことというのはたぶん今後の様々な批判を受けるんだろうなとわかっています。ただ、今回すごく一番大きかったのは、本当に大きな事故もなく犠牲者もなく無事に終えることができたということ、これが一番大きかったと思うし、僕も2010年のUTMB走ったときに本当悔しかったので、でもUTMBはあれを越えて素晴らしい大会になったし、僕らにとってもこの2016UTMFというのはたぶんそういうターニングポイントだというふうに思っています。だから、批判は受けて、その批判を力にして、変えていかなければいけないと思うし、僕はその大きなチャンスだと思うし、そうしなきゃいけない、そうすることが本当に世界中から集まってくれた選手の皆さんや、あと本当にこの大会を好きで好きでたまらなくて集まってくれたボランティアの人達のことを考えると、本当にこの大会を素晴らしいものにしなきゃいけないと思っています。本当に良い教訓になったというふうに僕は思っています。今回の反省をしっかり判断して今後に本当に活かしたいと思います。ほんとうに今日はありがとうございました。」
千葉
「他にご質問はございますでしょうか」
記者(岩佐氏)
「この9月の時期というのは昨年のこの大会も雨に見舞われてコースの変更あったと思います。他の大会でもそういった変更、中止といった実績もある中でですね、時期を見直すというお考えはあるんでしょうか。例えば以前のような4月末の開催に戻すといったようなことは考えられますでしょうか。」
鏑木
「すごく大きな良い質問であると。正直今の段階では本当に何ともいえない部分がありますけども、今回の教訓を受けて開催時期に関しては我々としては本当に真摯に受け止めてしっかりと考えてできるだけ早い段階で決定していきたいなというふうに考えています。今の段階ではまだ言えませんけども、非常に今回の教訓を活かしたい、活かした上でのベストの開催時期を考えたいと思います。」
千葉
「このあとすぐに閉会式の時間もございますので大変申し訳ありませんが、質問の方は以上という形にさせていただきまして、記者会見の方は以上で終了させていただきたいなと思います。長時間どうもありがとうございました。」

文字起しありがとうございました!
今回STY挑戦させて頂きました。現地にいたので天候はもちろん、自分なりに色々と状況、意見はあるつもりですが、中度難聴につき動画見てもなーと思っていたところです。この労力に心から感謝です。いちばん悔しいのは、鏑木さんでしょうね。この大会がいつまでも続きますように。