香港で「Garmin 100」に参加してきました。(Part4)
3月9日に香港で参加した「Garmin 100」の続きです。
今回はレース中盤。順調だったレースでまさかのアクシデント発生…
さてどうなるのでしょうか。
前回はこちら
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CP2を出発
CP2大帽山道小食亭(Tai Mo Shan Kiosk)を出発。
エイドでの補給中に一人先に行ったのでこの時点で3位。
エイドを出発して直後、霧が濃くなってきて前が何も見えなくなります。
出発して5分ほどでだんだんと日が暮れてきたのでライトをつけます。
そして雨が降ってきます。
一瞬だけなら雨具を着なくてもいいかなと思っていたのですがしばらくたってもやまないので立ち止まってレインウェアを着ます。
レインウェアを着ると視野が狭まり、雨が気になってだんだんと集中力がなくなってきます。
しばらく進んだところで舗装路に出ますがコースマーキングがどこにもありません。
これはミスコースをしてしまったなと。
昨年のTransLantauでコースミスをして(何者かによってマーキングが付け替えられていたのが原因ですが)、その反省から今回は大会サイトで公開されているGoogleMapからkmlファイルをダウンロードして、迷ったときにはiPhoneの地図アプリで自分の位置を見ることができるようにしていたのです。
こんな感じで地図上にコースを表示させていました。
(地図アプリは(GMapToolsを使っています。地図をダウンロードしてオフラインでも見られるので便利です。)
しかしながら雨で頭が回らずついそのまま惰性で進んでしまっていたのでまたもやミスしてしまいました。
1kmくらい戻ったところでマーキングが見えます。途中の分岐を見逃してしまっていたようです。
20分くらいのロスタイムでしょうか。せっかく今まで順調に来ていたのに残念です。
でもまだこれくらいの差なら取り戻せるはず。
しばらく行くとさらに雨がひどくなって霧が濃くなりさらに暗くなってきます。
ライトをつけますが光が霧で反射して前が見えづらくてペースが上がりません。
先ほどのロスを取り戻さなければいけないのに。
アクシデント発生
そして後ろからランナーが来たのが見えて焦ってしまいます。
後ろを振り返ってから一歩踏み出した瞬間、濡れた岩で足を滑らせて転んで手を打ってしまい
「あっーーーーーー!!!」
思い切り叫んでしまいます。
後ろから来た人に「Are you OK?」と話しかけられますが、とりあえず「No problem」と返します。
右手の親指が痛みますが今までトレラン中に転んで手をぶつけたことは何度もあったし、脚は痛くないので大したことはないと思っていました。
ちょっとして再出発しますが、今までの転んだときとは違う手の痛みを感じます。
恐る恐る指を触ってみると、本来関節があるはずの場所にそれがなく、ちょっとずれた位置にありました。
これはやってしまったな。
脱臼であればいいけど、骨折の可能性が高いだろうなと。
そしてしばらく行きますが痛みが止まることはありません。
下ってきて霧が薄くなって平坦なトレイルに入り走りやすい場所になりますが
そこで走ると痛みが大きくなって走ることができません。まだ足は全然疲れていないのに。
この時点で約30㎞。残り70㎞あるのを考えるともうレースを続けるのは無理だろうな。
とりあえず後ろから来る人たちに抜いてもらいながらゆっくりと歩いて次の関門まで進みます。
転んだ場所から3㎞ほど進んだでしょうか。
ようやくチェックポイントが現れます。
そしてSCP3B「甲龍古道(Kap Lung Ancient Trail)」に到着。
ここはタイムの計測のみの場所。エイドステーションならしばらく休むというのもありかなと思ったのですが、何もないのでスタッフの人に「I want to retire」と告げ、レースを終えることにします。
これまでに出場した大会でフィニッシュできなかったのは2014年富士登山競走(山頂フィニッシュ関門に間に合わず)、2015年UTMF(約70km地点の富士宮関門に間に合わず)の2回。
今まで自分の意志でリタイアしたことがなかったのが誇りでしたが、これ以上続けることはできないので仕方がありません。
そしてスタッフの人に「指が折れた」と伝えると、驚かれてしまいますが、本部に電話で連絡した上でタクシーを手配してくれたので病院に向かいます。
タクシーを待っている間、何もない場所にもかかわらず雨が降っていたので、椅子を用意してくれてワゴン車のトランクを開け屋根にして濡れないようにしてくれたり暖かい飲み物を用意してくれたり、スタッフの方は非常によくしてくれました。感謝の気持ちでいっぱいです。
というわけで、今回のレースは残念ながらここで終了したわけです。
次回はレース後に病院に行った様子です。