香港で「Garmin 100」に参加してきました。(レース後・入院篇)
3月9日に出場した「Garmin 100」の続きです。
順番が前後してしまいましたが、今回はレースで負傷してリタイア後にどうなったかを書いていきたいと思います。
前回はこちら
レースの最初から見る場合はこちらからどうぞ
タクシーで病院へ
転倒して右手の親指を負傷し、痛みに耐えながら3kmほど歩いてようやくエイドまで到達したところでスタッフにリタイアを告げます。
今回のレースはこれで終了。スタッフの方が「You are first!(最初のリタイア者だよ!)」などと冗談で言ってくれたりしましたが、どうせならフィニッシュで1番になりたかったです…
ここで手の親指が折れていると告げるとタクシーをよんで病院に行くように手配してくれました。
20分ほど待ってタクシーが到着。
スタッフが運転手と話して(おそらく行き先を告げてくれたのでしょう)
30分ほど乗車すると「博愛醫院(Pok Oi Hospital)」に着きます。
病院の受付で
「I was injured. finger is broken.」と言うと
「シートーター?」と聞かれます。
意味が分からず何回も聞き返したのですが「see doctor?」ということだったようです。
医者に診てもらいたいのでYesと答えるとまずはIDカードの提示を求められます。
香港のIDカードは所有していないのでパスポートでいいかと聞くとそれで構わないとのこと。
いつもはレース中に必要のない財布やパスポート類はホテルの部屋の金庫に預けていくのですが、今回は金庫のない部屋だったので、レース中もザックに入れて持ち歩いていました。
もしそれがなければ自らの身分を証明するものがなく大変だっただろうなと。
通常の診療時間帯ではないので急患扱いになるようで(この時点で午後8時ころ)、まずはその分の手数料のようなものの支払いを求められます。
香港のIDカード所有者とそれ以外で値段が違うようで私の場合は非所有者なので1230香港ドル(約17000円)。
財布の中にあったのは500ドルほどで足りませんでしたが、クレジットカードが使用可能とのことなのでそれで支払います。
もしかしたら大会に出場者向けの保険があるかもしれないと思い、
何かあった時のために連絡するようにとスタッフが電話番号を教えてくれていたので電話で問い合わせてみます。
英語で電話なんて初めてです…
今回香港のSIMカードを購入する際に、通話もできる↓のものを購入していたのですがそれが役に立ちました。
スタッフに聞くと、大会には出場者の怪我に対応する保険はないとのこと。
後ほど大会のWebサイトを確認したところしっかりと記載されていました。
Rules and Regulations 比賽規則
2. The organizer has its own public liability insurance. This does not include personal accident of participants. We recommend that you have your own personal accident cover.
募集要項は事前にしっかりとチェックしておくべきでしたね。
痛い出費だなと思いつつ、支払い時にクレジットカードを見て旅行保険が付帯されていたのを思い出します。
これでとりあえず出費は心配しなくてもいいかな。
診察
受付が終わって血圧を測りしばらく待ってから診療です。
英語では初歩的な日常会話はできるものの医療用語は全く分からないので苦労します。
とりあえずX線撮影を行います
結構折れているなと・・・
※これらの写真は帰国後に日本の病院で撮ったものです。
以前にも手の指を骨折したことがあり、
(中3の冬に弟と相撲を取っていて壁にぶつけて左手中指骨折、2010年3月にオートバイで九州旅行中に転倒してブレーキとハンドルの間に指を挟めて右手人差し指骨折の2回骨折しているのです…)
その時の経験から、骨の位置を整えてギプスで固定すれば終了だと思っていました。
そうすればレースはリタイアしたけど、この後観光できる時間が増えるからいいかなと考えていたのですが
そうはいかないくらいひどいらしく、とりあえず別の医師に診てもらう必要があるとのこと。
その医師は翌朝にならないと来ないとのことでここで1泊入院しなければならなくなります。
しかも入院すると先ほど支払った料金のほかに1日当たり5500ドル(約78000円)かかるとのこと。
旅行保険があるからいいけど、もし支払われなかったら痛いな…
一晩の入院
しばらく待って病棟に移動します。
手の怪我なのに車いすで運んでくれます。
あと70km走れるくらい脚は残っているんですがね…
(100kmのレースの30㎞過ぎでリタイアしたので)
病棟でパスポートを提示して受付します。
それから何で怪我したんだ?と質問。受付と診察とX線検査時に続いてこれで同じ質問が4回目。
そのたびにトレラン大会で転んじゃって…と言うのが恥ずかしいですね。
ちょうどその時に大会スタッフから状況を確認する電話がかかってきたので、病院の人に状況を説明してもらいました。
ベッドに移ると研修医の人が来て話してくれるのですが早口で医療用語をまくしたてるのでよくわかりません。
そこで翻訳アプリを利用してみたりします。
しかしうまく翻訳できず、結局あきらめられてしまいました。
看護師の方が来て注射を打ってくれます。
メガネの素敵な女性だったのでここにしばらくいてもいいかなと思いました。
ちょっと日本語が話せるっぽくて「ちゅうちゃちまちゅ(注射します)」みたいにたどたどしい言葉づかいがかわいかったです。
そしてギプスで固定します。
こんな感じで腕ごとぐるぐる巻きにされました。
そして就寝。
しかしながらなかなか眠れず。
結局翌朝、5時30分くらいに起床してしまいます。
腹が減ってるし緊張してほとんど眠れませんでした。
とりあえずボケーっとしていると7時ころに病院食が運ばれてきます。
お粥とパン。
昨日レースリタイア後から何も食べていないのでこれだけでは腹が減ります。
9時ころ医師が来て、ここで施術するよりは日本に帰ってからやった方がいいとのことで、紹介状を書くからそれが済んだら帰っていいよとのこと。
だったら昨夜のうちに帰してくれればよかったのにと思ったりもしました。
このあとX線撮影を行い、紹介状を書いてもらえば終了のはずなのですがしばらく待っても何も起こりません。
とにかく早くここから出たいという一心でしびれを切らせて病院のスタッフの方に何度もまだなのかまだなのかと聞いてしまいます。今思えば本当に迷惑をかけたなと反省しています。
病室では暇なのでその辺を歩き回っていたり、
香港ではトリバゴのお姉さんじゃなくてお兄さんなんだーなんてムダにテレビの写真を撮ってみたりしてました。
隣のベッドにいた老人の方が自分が日本人だとわかると日本語で話しかけてくれます。
親戚が日本にいるらしく、佐世保で中華料理店をやっているとか。
異国の病院でさみしいところでしたが日本語を聞いて心が温まりました。
そうして13時ころにようやくX線撮影の順番がやってきて、そのあと紹介状を渡されて処方箋を受け取って薬をもらうと終了。
ようやく退院することができたのです。
次は退院後の観光篇です。